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| 蝦夷親不知 第1部 |
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2008年9月13日。天候曇り時々晴れ。今年は8月が涼しいと思っていたら9月に入ってもなかなか気温が下がらず、この日も蒸し暑い中を天空開発と共に瀬棚の地にやってきました。大学卒業後北海道を離れた天空開発ですが、しばらく北海道でバカンスということなので前々からの悲願であった蝦夷親不知攻略を決行することになったのです。 さあ、今日こそ陥とすぞ蝦夷親不知!覚悟しろ! 今回は瀬棚側から進入しますが、車を停めるスペースが島牧側にしかないので車をそちらに停めて虻羅トンネルを徒歩でくぐり抜けることになります。 |
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上の写真ではちょっとわかりにくいかもしれませんが、旧道が岬の向こうへと回り込んでいます。その突端部には例の隧道、そして我らを阻んできた覆道の残骸が見えています。実は事前に、この覆道が海に落下したという情報を聞いて少し期待していたのですが、残念ながらそんなことはなかったようです。 今までずっと表側しか見ることのできなかったあの隧道、今日こそは裏側を見てやりたい! |
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虻羅トンネルに徒歩で入ります。車だとあっという間に抜けてしまう1,065mも徒歩にとってはつらいもの。たっぷり15分かけてトンネルを抜けます。休日の朝だからか交通量が少なく、大型車にも一台も遭遇しなかったのは幸いでした。 |
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ようやく虻羅トンネルを抜け出ます。瀬棚側は虻羅の集落が形成されており、トンネル手前から左手へと伸びる旧道は町道虻羅港線として生活道路になっています。 この旧道へと入っていきます。 |
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町道虻羅港線は虻羅港という名を持つくせに港へは接続していません。小さな漁港ながらも釣りの名所らしい虻羅港を左手へ置き去りにしながら坂を登ります。 虻羅港線は数十メートルも行かないうちに民家に突き当たって終了となりますが、その右手へと更に登っていく道が見えています。そちらが蝦夷親不知へ続く旧道です。 |
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分岐してすぐ通行止めの簡易なゲートに出会い、道は途切れています。ゲートまできっちりと舗装が続いていますが、ここから先は未舗装となります。 さあ、いよいよ旧道は廃道へと姿を変えます。まともな"道路"は明らかにここで途絶えており、もはや通行止めの標識は何ら意味を持っていません。 ああ…藪がすごそうです。 |
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地図の上に位置を落とすとこのあたりになります。最初のトンネル記号までは300mはありそうに見えますね。普通に考えると300mなんてたいした距離じゃないですけど、藪の中を行くとなればかなり長い道のりとなりそうです。 1:25,000 美谷 昭和54年9月30日発行 |
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最初に壁のような藪をかき分けると、意外にも草っぱらに出ました。あれ?なんてことないじゃんと思ったものの… |
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すぐに猛烈な藪が始まります。背丈より高い様々な植物がびっしりと居並んで我らの行く手を阻みます。これだから夏の旧道探索なんてするものじゃない! 万が一突破を果たせなかったときの帰り道とするために踏み跡をしっかり残しておこうとは思ったものの、すさまじい藪はそれすら容易にさせてくれません。こんな中を1km以上も行かなくてはならないのかあ。 この道路は最新の地形図では抹消されているものの、一部ロードマップでは点線ながらもトンネル記号付きで記載されていますし、ゼンリン住宅地図だと明らかに現役の道路のように載っています。しかし実態はこれこの通り。 |
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足下には結構ゴミが散らかっています。空き缶や鉄板などは廃道で当たり前のようにみかけるゴミですが、、タイヤやダッシュボードなどが複数転がっているのを見ると、この藪の下に車が数台朽ち果てているのかな? |
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逆に空を見上げりゃド迫力。まるで身をよじらせたドクロが口を開いて襲いかかってくるかのような岩がオーバーハングしています。 蝦夷親不知とは当然、新潟県の親不知からの連想でしょう。本家親不知もまた日本海沿岸に崖が連なった交通の難所です。あまりの険崖と波のために、親が子を、子が親を顧みることすらできないほど険しい道であることからその名がついたと言われています。本家親不知はそれと連なる子不知とをあわせて15km近くある海岸線なので、蝦夷親不知は規模としてはその10分の1程度です。しかし、日常的にここを通らなかった人々にとってみればここも十分に"親不知"だったのでしょう。 |
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冒頭にも書きましたがこの地は"虻羅の崩れ"とも呼ばれ、地形図にもクズレと書き込まれている程ですから地質は脆いようで、路面は無数の落石に覆い尽くされてしまっています。平坦な路面を歩ける場所は少なく、多くの区間で岩の上を伝っていくように進まねばなりません。一歩一歩、次に足を置く石が不安定でないかを確かめながら、時には大きな岩を乗り越えながらゆっくりゆっくり確実に。 この先無事に道路が続いているのか少々不安になりますなあ。 |
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ふと路肩に目をやると、ガードロープが比較的良い状態で残っていました。路肩自体はかなり崩れ始めているのであまり近づくことはできませんでしたが、路上からあふれ出そうとする藪や落石をしっかりと受け止めています。この先もかなりの場所でガードロープが残存しているのを確認しました。 |
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