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一般国道229号 大森トンネル旧道区間
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北海道は台風の被害をあまり受けない地域です。なので、本州ですごい被害が生じても他人事のように感じがちです。しかし2004年9月、そんな道産子に衝撃を与える台風がやってきました。台風200418号"SONGDA"です。列島を荒らしまわりながら北上を続けてきた台風18号に、普段台風とは縁遠い道産子は不謹慎ながらもワクワクしていました。9月8日、とうとう北海道にやってきた台風18号は、北海道で暴れに暴れました。特に北大ポプラ並木の倒壊に代表される樹木への被害は甚大で、一説には北海道の木の三割がなぎ倒されたとか。実際、雑木林が野原に変わってしまった場所も何箇所か見かけます。
そんな台風18号のことですから、当然道路にも爪痕を残しました。その代表例が国道229号大森大橋です。磯の上を渡っていたこの橋は高波にとって格好の獲物だったのでしょう、哀れにも橋桁を落とされてしまいました。大森大橋は即座に仮復旧されましたが、本格的な復旧は大森大橋の本復旧ではなく新トンネルの掘削になり、被災から2年半後の2007年3月21日に新トンネルの供用が開始されると同時に大森大橋は現役を退きました。
このレポートでは、本復旧完了間近の2007年3月2日に、余命二十日を切った大森大橋とその前後区間を走り収めに行った時のものです。現在は廃道となり、二度と通行叶わぬ道の生前最後の姿。どうぞご覧ください。

 
積丹半島は海岸線をぐるりと回る国道229号に囲まれています。地形が険しく交通に恵まれない積丹半島にとって、この国道229号はまさに生命線です。
その積丹半島の西海岸、神恵内(かもえない)村に大森大橋はありました。まずは大森大橋とその前後区間、即ち本復旧により付け替えとなった区間の説明をしたいと思います。
被災前のルートは上図の通りです。地図の左側は積丹町側、右側が泊村側です。
現地は日本海に厳しく鍛えられた断崖絶壁連なる難所であり、かつては曲がりくねった道が崖の上を縫って走っていました(薄茶色)が、1985年に建設された三つのトンネルと一つの大きな橋を擁する新道(青色)が、ルートを劇的に短絡しました。しかしこの新道もやはり厳しい地理的要因によって改良を強いられます。1996年の豊浜トンネル崩落事故に伴い実施された地質検査の結果、とようみトンネル及びウエンチクナイトンネル付近は崩落の危険があると判定されたのです。そこで、より安全なルートを通る新ウエンチクナイトンネルの建設が始まりました(紫色)。ウエンチクナイトンネルの途中から分岐して山の奥を迂回し、とようみトンネルの南に出る新ウエンチクナイトンネルは、完成を目前に控えていました。日本海が更なる追い討ちをかけたのは、そんな折のことでした。
 
2004年9月8日、台風18号が上陸。翌日、道路パトロールカーが大森大橋の中央部橋桁が落ちているのを発見します。道路は事前に閉鎖されていたので人的被害はありませんでしたが、橋が落ちた様子はニュースでも大きく報道されました。高波が橋桁を持ち上げて放り投げてしまったということでしたが、まるで壊れたミニチュアのようなその様に、波の破壊力を恐ろしく思ったものです。下記の参考リンク先で被災状況の写真を見ることができますので、是非ご覧ください。
当然、大森大橋前後区間は通行止め。地形の険しい積丹半島には適当な代替路が無かったために、被災箇所を挟んだ地域の行き来には積丹半島をぐるりと大回りしなければならなくなりました。復旧案は即座に検討され、仮橋案と山側を走る旧道利用案が持ち上がりましたが、四つの古い隧道を含む旧道は急峻狭隘な上に地盤が不安定であることから廃案となり、仮橋による復旧が開始されました。

参考リンク
□岩内道路事務所 大森大橋復旧状況…被災状況の写真を見ることができます。
□北海道土木研究所 被害調査概要報告(pdfファイル)…より詳しい報告書です。pdf注意!

2004年12月10日、被災から約3ヶ月で大森大橋には仮橋が架けられると共に、被災時に完成間近だった新しいウエンチクナイトンネル(L=1,268m)が供用開始され、再び通行が可能になりました。
本復旧は橋の復旧と新ルート建設の二つの案が持ち上がりましたが、工期と経済性を鑑みた結果、泊村側から1,482mのトンネルを新たに掘削してウエンチクナイトンネル内部に接続し、積丹町側はウエンチクナイトンネル既存部をそのまま利用する新ルートに決まりました。上の地図で緑色で示しているのが、新たに掘削されることになった区間ですこの新トンネルは既存の大森トンネルに対して新大森トンネルと仮称され、建設が始まりました。

今回のレポートで紹介するのは、この時期のルートです。

参考リンク
□岩内道路事務所 大森大橋仮橋開通について…仮復旧完了のお知らせ
□岩内道路事務所 ウエンチクナイトンネル開通について…新ウエンチクナイトンネル開通のお知らせ
 
新大森トンネルは2005年6月に着工。工事は急ピッチですすみ、僅か9ヶ月後の2006年2月に貫通しました。その後付属設備が整備され、2007年3月21日に開通する運びとなりました。また、正式名称が既存のトンネルと同名の大森トンネルとなりました。

参考リンク
□北海道開発局 大森トンネルの供用開始見込みについて(pdf)
 
 第1部-ウエンチクナイトンネル

 第2部-大森大橋→大森覆道→大森トンネル

 第3部-動画
 
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