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第4回-第2部
 
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8:00

いよいよ出航です。流氷はやはり沖の方に行ってしまっており、網走港周辺には薄い氷が浮いている程度でした。一週間前までは岸までびっしりと流氷が埋め尽くしていたはずですが、爆弾低気圧のおかげでこのざまです。
流氷はまるで生物のようで、風向きや温度によって本当に気まぐれ迅速に移動します。昨日までの海が一晩にして雪原に変わっていることもあれば、その逆もまたあるのです。
おーろらは流氷帯を目指し、相当なスピードを出して沖へと向かいます。海の向こうには秀峰・斜里岳や知床連山の白い姿を綺麗に見渡すことができましたが、今回のメインはそれらではありません。

やがてぽつぽつと大き目の氷が現れだしましたけどまだまだ小規模で密度も低く、こんなものでは流氷とはとても言えません。昨年来た時と同程度からそれ以下の規模であり、今年も駄目だったかなあ…と内心がっかりした頃。


きたあぁああぁ!!!!!
 
流氷本隊でこそないものの、本隊から離れて岸の方へやってきていたある程度の規模の流氷帯に突入しました。

これだこれだこれだこれが流氷だ!一面氷で覆い尽くされ、海面の全く見えないオホーツク。さっきまでのような薄っぺらい氷の板ではなく、厚みのある塊で覆われた"雪原"。船も時々大きな氷塊にぶつかって速度がぐいっと落ちるのがわかります。これぞ砕氷船の醍醐味!
この流氷帯に来るために最初あんなにスピードを出していたんだなあ。流氷の中に入ってからは、船は速度を落として氷中遊覧を楽しませてくれます。

上のデッキで一面の氷を見渡すのも楽しいし、下のデッキですぐ下に間近に氷が押しのけられていく様を見るのも楽しいし。後ろを見れば、船の通った軌跡がはっきり描かれていますが、すぐに氷で埋められてしまいます。
はるか北方、中国とロシアの国境を流れるアムール川からオホーツク海へと流れ出した真水が氷となって、それがはるばる北海道まで広がってきているのが流氷です。つまり、流氷がオホーツク海を覆いつくした時は北海道と大陸とが陸続きになっていると言える訳です。
向かって右が斜里岳、左が知床連山、そして一面の氷海に青い空。いい!いいよ!すごくいい!

おにぎりの旅で、私が北海道一好きなところは清里町の神の子池であると書きました。確かにそれは間違いではないのですが、範囲を北海道近海にまで含めたならば、最も好きな場所は流氷に覆われたオホーツ海の洋上となります。私は流氷には相当ハマッており、免許を取ってからというもの毎年欠かさず訪れているのです。

冬の北海道を訪れることがありましたら、是非とも流氷を見に行ってみて下さい。そしてその時は海岸から見るだけではなく、砕氷船に乗って下さい。沖から見るだけでは流氷を十分の一も楽しめません。
百万言をもってしても流氷の魅力を語るに十分とは思えません。写真だけでも不足です。ということで、動画も撮影してみました。砕氷船の楽しさが少しでも伝わるといいのですが…
遥かに見える知床連山。これからあの向こう側へ行かねばならないのかと思うと少々げんなりもしますが…

おーろらはゆっくりとUターンし、港へと向かい始め、徐々に氷も薄くなっていきます。
航行時間約1時間のうち、この流氷帯にやってくるまでに20分を費やしています。帰りにも同じ時間をかければ、流氷の中のクルージングはせいぜい20分のこと。流氷に興奮している身にはあまりにもあっという間のことでした。
あー、もう終わりか…来年もまた絶対来るぞ!
港に戻り、心地よい満足感と共に船を下ります。港にはもう一隻のおーろらも控えており、次の9:30発の便は二隻体制で出航するようです。私が当初予約していたのがその便でしたが、なんと氷が沖合い遠く離れてしまったので流氷は見れないとのこと。さっきまで私達が見ていたあの流氷帯がこんな短時間で遠くへ移動してしまったわけです。これぞ、流氷は生物であると言われる所以でしょう。
流氷が無い場合は、能取岬往復でお茶を濁す単なる洋上クルーズになります。次の便に乗る観光ツアーのご一行様が、ガイドさんの流氷が見れないという説明に不満の声を上げていました。自然のものですから仕方ないとはいえ気の毒ですね。しかし、一歩間違えれば私達もその便だったわけで…早くしたのは英断でした。
9:51

港をあとにして、今度は網走の代名詞的存在である博物館網走監獄を訪れます。1984年の網走刑務所建て替えの際に移築された古い建物や、北海道の刑罰史に関する資料館などがあるのですが、これがなかな面白い。

左の写真は中央道路開削の様子を再現したジオラマです。網走監獄は現在の国道333号の前進である中央道路開削のために設置されたのが元ですから、道路好きにとっては一度は訪れたい施設です。
網走監獄といえばここが有名でしょう。中央の監視棟から放射状に五つの棟が突き出している五翼放射状平屋舎房です。その形状のおかげで、中央から全ての棟を監視することができるわけです。しかしその一画には脱獄を試みる不心得者が!

この博物館に至るところに囚人や看守を再現した人形が設置されているのですが、どれもこれもが異様に生々しいのです。夜に一人で訪れるにはちょっぴり勇気が必要でしょう。

また、当然ながらあちこちに解説文が掲示されているのですが、夜、寝巻きに着替えるときには冷水をかぶって体を冷やしておかねば、冷えた寝巻きとの温度差で風邪を引いてしまうとか、自分の吐く息に含まれる水分が凍りついて唇が凍傷になってしまうとか、監獄現役時の厳しい生活状況が生々しく記載されています。
ちょうど、"寒"獄祭というイベントが行われていました。広場に雪で作られた滑り台や懲罰房などがあって、これがなかなか面白かった!今回は時間が無かったのでさっと回った程度したが、雪だるま作りやかんじき体験など参加型の催しもあってなかなか面白そうです。機会があればまたいつか行きたいな。

網走監獄は、網走市はもちろんのこと、ひいては北海道を代表する観光名所の一つといえます。北海道の歴史を振り返る上では外すことのできない重要な遺産ですし、見るだけでもとても面白い博物館です。

さて、いよいよ知床へ向かおうか!
 
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